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「イノック・アーデン」

著:テニスン
訳:入江直祐

妻子を幸福にしようと海を越えて一人稼ぎに出かけたイノックが十年目に帰ってみると
彼らは他の男と幸福に暮していた。


「白猫」

著:石川淳

木彫りの技術に特異な才能を持つ鼓金吾は
ロシア人の画家夫婦の家で偶然見た美少女の肖像画に眼を奪われた。
永遠なるものの美を求めて社会に一歩を踏み出した少年の少女への想いと
彼をとりまく大人たち確執を軸に大戦前夜の知識人の孤独な魂の遍歴を描く名作。


「少年少女」

著:アナトール・フランス
訳:三好建治

収めた十九篇はいずれもあどけない子供達の無垢な世界を描いて
童心を失った大人達にも懐かしい昔を思い出させる。


「海の沈黙・星への歩み」

著:ヴェルコール
訳:河野与一・加藤周一

ナチ占領下、深い沈黙を強いられた「自由の国フランス」で
人間の尊厳を守り自由の為に生命を賭けた市民の姿に肉迫する抵抗文学。


「改訳 ブレイク抒情詩」

著:ウィリアム・ブレイク
訳:寿岳文章

瞑想的な神秘主義で英文学史上異彩を放つ詩人にして画家ブレイク。
中期までの抒情詩五十六篇に好奇の思想を語る作品二篇。


「プアハウス・フェア」

著:アップダイク
訳:須山静夫

1977年頃のニュージャージー州の老人ホームの祝日。
死を隣に置いて生きている老人達に地味だがはっきりした音調を与えて緻密に描き分け
これに独善的で安直なヒューマニズムを配して現代人の孤独と不安を象徴的に描く。


「首をはねろ!」

著:カールハインツ・マレ
訳:小川真一

なぜメルヘンに残酷さや暴力が必要だったか。
メルヘンの中の暴力を一人の教師が読み解く。


とまぁ、いっぱい買いましたね。
面白そうでしょ?
これから読みますね。
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著:小松左京

 目覚ましのベルが鳴り響く。
いつものように妻ががなり立てるのがおぼろげに聞こえる。
あと10分だけ・・・そう思っていると足音がどんどん近づいてきた。
「牛のように眠りをむさぼれたら」
そう彼は思っていた。
ああ、僕は・・・になりたい。
いよいよしびれをきらした妻が布団を剥ぎ取ったその瞬間、たまぎるような叫び声をあげた。
どうした?とかけた声は言葉にならず奇妙に響く。
彼は”のっそり”立ち上がった。


 カフカの変身と同じような始まり方ですが、作中でもそのことに触れており
明らかにそれとは違う事が自分の体に起こっていると主人公は明言しています。
要するに彼は自由に変身を解除でき、また何にでも変身する事ができたのです。
 で~まあ、細かくあらすじ言っちゃうとつまんなくなっちゃうと思うんですよね。
しがない小市民のサラリーマンが持った特殊な能力をどう使うか。
そういうお話ですね。
あ、あと笑えます。
シュールレアリスティックな作風です。
SFって時点でそうなっちゃうんですかね。どうなんですかね。

毎日毎日仕事や生活に自分が磨耗されているような気がする方にお勧めです。
因みに私は好きでした。

評価:★★★☆☆

著:ボールドウィン
訳:斎藤数衛

ジョンは説教師の息子、母の連れ子、父と母の息子の荒くれた弟ロイの兄だった。

 母エリザベスはリチャードという男を愛しジョンを身篭る。
互いに愛し合い将来の不安を感じず幸せな日々を送る。
しかしリチャードは都会の差別と絶望の中で死んだ。
 ジョンを産んでからのエリザベスは人にできるだけ心を開かないようにし
以前とは比べ物にならないほど堕落する自分を認めながら生活するが
同じように愛した男を失ったフローレンスに堕落したもの同士の連帯感を感じ心を許しあう。
エリザベスはその年かさの友人に人に言うことのできなかった今までの鬱憤を一気に吐き出した。

 ある時、フローレンスの弟ガブリエルが南部より姉の住む北部へ来るという知らせがあった。
フローレンスの顔は曇る。
彼女は幼少の頃よりその弟ガブリエルに深い憎しみを覚えていた。
 彼が産まれるまではフローレンスは自由に夢を描いていた。
しかし将来の働き手であるガブリエルは必然的に一家の基準となり
彼女の自由や意思はそれにより縛り付けられてしまう。
彼女はもっと学びたかったがガブリエルが学ぶ為に諦めた。
彼女はもっと着飾りたかったがガブリエルの為に我慢した。
ガブリエルはそれを当然とし、学べる環境でも学ばず遊び呆けていた。
そんな日々に嫌気が差したフローレンスは病気の母と弟を残し北部へ旅立つ。
ガブリエルは絶望した。
姉がいた為に許されていた自由が病気の母により拘束されてしまう。
彼は必死に姉を引き止めたが彼女は振り返りもしないで去って行った。
その後ガブリエルは今まで以上に堕落した。
酒を大いに飲み、女と遊び、どぶで寝た。
そんな日々の中、ある時彼は酒臭い息を吐きながら自分の家が遠くに見える早朝の丘にいた。
犯した罪とこれから犯す罪に彼の心は打ち砕かれその体を小鳥すら囀らない静寂が包んだ。
彼はその瞬間、神に大声で憐れみを請うた。
何度も何度も恐怖から逃れる為に涙を流して悲鳴を上げた。
神は答えなかった。
しかしその時、彼には聞こえた。
母が低く優しく彼の為に祈る声を。

 彼はこの出来事により雄弁な説教師として開眼する。
そして敬謙な信者でフローレンスの旧友デボラと結婚するが
彼曰く「悪魔の働き」により彼の説教を聴きに来た神を信じない女との間に子供を授かってしまう。
ガブリエルは戦慄し、悪魔の仕業だとし、女を罵り、
デボラが貯めていた金を盗み北部へと女を追い払った。
女は彼を恨みガブリエルの罪の証であるロイヤルを産んで死んだ。
妻デボラはガブリエルの行った全てを知っていた。
そしてフローレンスに聖者の行った非道を書き記した苦悩の手紙を送り病の為に死ぬ。

 フローレンスは説教師となった彼を幼少の頃と同じように憎しみの目で見ていた。
いつも武器のようにデボラからの手紙を持ち歩き、彼の本性を決して忘れなかった。
フローレンスの家でエリザベスとガブリエルがはじめて出会ったとき、
彼女はエリザベスに警告の視線を向けたがもう既にそれは遅かった。
エリザベスはガブリエルに救いを見出し、
ガブリエルはエリザベスとジョンに過去の罪を見た。

 エリザベスとガブリエルはこうして出会いジョンの一家が形成される。


 ジョンの一家一人一人の人物像を浮き彫りにしていき
読者にそれを把握させた上でジョンが神に目覚めるまでの
長い長~い一日が描かれている小説なのだけれども
とにかくしつこいほどの心象描写が特徴的だった。
かなり端折ったけど長くなっちゃったよ。
 当時黒人のスポークスマンのようにされていたJ・ボールドウィンだけど、
この作品は翻訳後記にあるとおり実験的なものだったんでしょうね~。
差別や黒人の考えを代弁するかのような黒人作家独特のスタンスではなく、
もちろん根深い差別はちらりと見えるのだけれども
それより何より人間としての考え方に比重を置いているように感じます。
そんでもって先にも述べた通りしつこい。
本当にしつこい。
本当に本当にしつこい。
翻訳によるものなのか判らないけど嫌いな人は嫌いかも。
でも私は宗教のあり方やそれを信じる事の意味を
漠然とですが理解する事ができたように思えます。
なので読める人は読んでみて下さいな。

評価:★★★☆☆


私が読んだ本のレビューをします。
興味が湧いたら読んでみて下さい。
そして感想を聞かせて下さい。

そんでたまに撮った写真でも載せようかななんて。

b.jpg






こんな風に。        

暇で暇でどうしようもない時に見るといいんじゃないでしょうか。

プロフィール
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WE
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41
性別:
非公開
誕生日:
1982/09/14
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